暗愁

山の学校のシンボルツリーのけやき。

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昭和50年代までは生徒がいた山の分校。
父はこの集落で育ち、その頃は子供が多かったと言う。
山の集落にも子供たちがいたんだなぁ・・・。しみじみ思う。
今ではこの分校の本校であった小学校も閉校してしまった。


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写真を撮っていると、近くの山からなのか鹿の悲痛の声の様な泣き声が聞こえてくる。
鹿にとっては、悲痛でも何でもないかもしれないけれど、「あ~~~~~」という悲鳴のような
泣き声は耳慣れない者にはちょっと怖いような、寂しく悲しい声の様な・・・。そんな気がする。

    

   奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の声きくときぞ秋は悲しき                                     
                                                猿丸太夫

     (秋ふかいか山奥に紅葉は散り敷き、妻問いの鹿が踏みわけ踏みわけ
      悲しげな声で鳴きながらさまようあの声を聞くと、秋の愁いはふかまるばかりだ)
                                参照:『百人一首』 大岡 信/世界文化社




秋はふと寂しさを感じます。
夕方の日が差し込む感じの中に冬の匂いのようなのを感じたり。冬の日の差し方を感じたり。
夏の夕暮れは少しだけワクワクする雰囲気があるのに、秋はふわ~っと哀しさがの様なものを感じます。

大学時代に憧れの人がいました。
その人が言うには、秋の夕暮れに感じるふとした寂しさを「暗愁」と言うのだと教えて下さいました。
秋の夕方の仄暗い部屋の中にいるとふと感じたり、
日が沈みそうな時刻にふとわいてくるなんとも言えない感覚は、私だけでなく、憧れの人も感じていたのです。
憧れの人だけではありません。
「暗愁」という言葉あるのですから、多くの日本人はこういう感情をずっと昔から抱いていたのでしょう。
なんだか、憧れの人とも古の日本人とも、今の多くの日本人とも同じ気持ちを体験する繋がりをもっている
んだ・・・。と、オーバーに想像したものです。

ただ、「暗愁」というこの言葉。最近の国語辞典からは消えつつある言葉だそうです。
憧れの人が言っていました。
「暗愁」という言葉が消えるということは、同じ気持ちを持つ人が減ってまったからだろうか。もし、
本当にこの言葉が消えてしまったら、秋の夕暮れにふと感じる寂しさや哀しさを表すことが
難しくなったり、気持ちを共有することが難しくなりますね。 と。

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この記事へのコメント

  • ぴあの

    この、ぴあのでさえ、秋の夕暮れは、ふと涙が出たりします。
    紛らわすお友だち、ということで、うちにうさぎがやってきました。
    2009年11月07日 23:48
  • ken/南関

    秋の夕暮れ時に感じた寂しさを「暗愁」と言う
    知りませんでした(恥)
    この時期、口ずさむ歌♪は…旅愁になってしまいます。
    勉強になりました!
    2009年11月08日 01:19
  • mu.choro狸

    暗愁・・・確かにパソコンでも変換できませんでした。
    今日は詩的で素敵です^^
    2009年11月08日 10:56
  • 大開桜

    暗愁という言葉はあまり聞きませんね。
    憂愁はあるけど、ちょっと意味が違いますね。
    黒愁はどうでしょうか(笑)

    憧れの人とはどうなりました?
    あ、そうだ!憧愁ではどうですか?
    2009年11月08日 12:30
  • HT

    こんにちは。
    「暗愁」…難しい言葉ですね。
    でも、何なのかは言葉で言い表すことができませんがわかります。
    「意味は理由無き憂い、何処よりともしれず、えもいわれぬ,ずっしりと重い心のわだかまり」だそうですね。
    憂いと云うもの、誰の心にも持っているものと思っています。でも、最近子供たちや周囲の人見ていると、私と感じ方が違っていますから、誰の心にもと云うのは間違いなのかも知れません。
    何かを見ていて、ふと心にじ~んとくるもの、感じない人が増えている気がしています。悲しいですね。
    2009年11月08日 13:51
  • カメさん

    暗秋・私の漢和辞典には載っていませんでしたね。
    ほんと秋は何となくもの悲しいです。
    木枯らしが吹く寒空には、
    なおさら人生の哀歓みたいなものを感じます。
    2009年11月08日 14:47
  • 末摘花

    ぴあのさん
    ウサちゃんは見ているだけで癒されますよね。私は3年前の秋に野ウサギを拾って育てていました。子供のうちは懐いて姿を見るだけで疲れが飛んでいました。大きくなるにつれて野生の本性が出て懐かなくなり、狭い籠の中ではけがをしたり、思いっきり走らせることも出来ずに可哀想だったので安全な山に放しました。
    ニホンノウサギってすごく跳ねるし足も速いんですよ~。噂によると時速70キロは出るそうです。
    2009年11月08日 21:44
  • 末摘花

    ken/南関さん
    「暗愁」って言葉は辞書にもないそうですから、撮っても昔の言葉なんですって。この言葉が絶滅しないように願ってますよ。
    2009年11月08日 21:45
  • 末摘花

    mu.chro狸さん
    お引っ越し完了されたそうですね。そちらにも遊びに行きますからね
    PCで出ない漢字があると少しイラっとしてしまいますぅ~。
    時々、そういう言葉がありますね。
    2009年11月08日 21:47
  • 末摘花

    大開桜さん
    憧れの人とその後ですか・・・。憧れの人は、それはそれは雲の上の人だったので、ファンも多かったはずです。私などはゴマ塩の胡麻みたいなもんですよ。
    勉強しなおして出てこい。と言う感じでしょうか(笑)
    2009年11月08日 21:52
  • 末摘花

    HTさん
    人の心は同じようであって同じではないですものね。特に世代間での考えの違いや、自分がその頃の年代だった頃の事を思うと随分変わってしまったかもしれませんね。私でさえ思うのですから先輩方はより強く思うかもしれません。
    理解しがたい考えや気持ちも年齢のせいだけではないこともありますね。

    年齢がたされていくにつれて、自分以外の人の思いにも惑わされたりしますね…。大人になれば惑わされることも減るかと思いましたが・・・。
    惑わされない心も欲しいです。
    2009年11月08日 21:59
  • 末摘花

    カメさん
    木枯らし…ああ、この響きを聴くと耳の後ろが痛くなります。
    温暖化といえども、年々、寒さに敏感になってくる私です。

    秋は色々と物思いをしてしまいますね。季節が急に寂しい方に変わるからでしょうか。
    この寂しさも春の準備のため・・・と思うことにしていますけど
    2009年11月08日 22:04

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